/新刊書の紹介/


 ■『マリアの素描』 朝山宗路(マリア会司祭)著 のご紹介

「マリアの素描」について

もくじ

マルコ福音書のマリア
マタイ福音書のマリア
ルカ福音書・使徒言行録のマリア
ヨハネ福音書のマリア
ヤコブの原福音書のマリア
コーランのマリア


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著者:朝山宗路(マリア会司祭)
発行所:サンパウロ
2008年10月16日発行
定価:3300円+税


長い教会の歴史のなかで、イエス・キリストの母マリアは、いろいろな角度から考察され論じられてきた。ある人は霊的生活の観点からマリアを論じ、ある人はキリスト論のなかのマリアを論じ、ある人は救世論の観点から考察してマリアの占める位置が何であるかを論じてきた。しかし、マリアは単に神学の分野において取り上げられてきただけではなく、美術や音楽の分野においても取り上げられ、文学は言うに及ばず、文化人類学や現代の社会運動のなかでも取り上げられている。その書物の数は、膨大なものである。

従って、ここでまた、もう一つのマリアの書物といえば、どれほどの価値があるのだろうかと疑問に思わないわけでもない。しかし、あえて私がここに、もう一つのマリアの書物を出版しようと決心したのは、マリアを愛し、マリアを人びとに知っていただくためには、マリアを正しく理解することが必要であり、そのためには原典に基づいて、出来る限り正確なマリアの姿を浮き彫りにしなければならないと考えたからだ。ここで原典といえば聖書ということになる。聖書を読んでその中に書かれているマリアの姿を求る努力は決して無駄ではない。疑問を持ち、その疑問を解き明かそうとするとき、始めて人間は、より深く思考し黙想することになるからだ。しかもそれ以上に、キリスト者の持つ信仰の原点は聖書にあるのだから、その母マリアについて知ろうとするとき、聖書を紐解かないはずがない。

この本は、その目次を見ていただければお分かりのとおり、福音書が書かれたと想定される順序に従って並べられている。一番先に書かれたであろうマルコ福音書は、イエスが神の子であることを強調する余り母親マリアは舞台の後ろに置かれてしまっている。しかし、わずかそれから20年・30年のちには、人びとのマリアに対する関心は高まっていったと考えられる。とりわけルカ福音書とヨハネ福音書では、そのピークに達しているようだ。

ただ、ここで、最初にお断りしておかなければならないことがある。それは、拙著「マリアの素描」というものは私が書いた本であるというよりは、むしろ私が今までに読み研究したときのノートを整理して纏め上げたものであるからだ。

マリアを軽視し、マリア信心を偶像崇拝であると軽蔑する前に、ぜひこの書物をお読みいただきたい。キリストを信じる者にとって、マリアを無視することはできないことがよくお分かりいただけると思われる。

朝山宗路(マリア会司祭) 
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